きぽん’s Room

kipon氏の日々の進捗を音楽とともに記録していくお部屋です

最近の読書について

佐藤正午『小説の読み書き』

去年の11月から友人に佐藤正午さんを勧められていたのだが、なかなか食指が動かず最近読んだ。最近散々広告を出している『鳩の撃退法』の作者である。こちらの本は色々な小説を「佐藤正午」というフィルターを通して分析していく。内容は堅苦しくなく、川端康成『雪国』の主人公のキャラ付けが腑に落ちないとか、何の小説かは忘れたが性描写が曖昧でモザイク入りの動画のようにモヤっとするとか、「〇〇する私」という書き口が納得いかないとか、まあそんな感じです。こういう視点で見るんだなーというのが面白い一冊。


佐藤正午『夏の情婦』

こちらは短編集。友人からはこれをめちゃ勧められたのだがうーん…といった感じ。最後の短編『恋人』の主人公の設定が良かったです。


千葉雅也・山内朋樹・読書猿・瀬下翔太『ライティングの哲学 書けない悩みのための執筆論』

4名による座談会①+それを受けての執筆記録+振り返り座談会②という構成で「書けない〜〜」の悩みに向き合っていく本。「書かないで書く」(書くことを意識しないで、大仰なことと考えないで、クオリティにこだわらないで書く)というのが本質的だなぁと思いました。やっぱり書くことを仕事にしている人もこんなに書けないって悩むんですね。私も「曲を作らないで作る」境地に行きたい。
あとアウトライナー(階層構造をすぐ書けるメモ帳)というものをこの本で初めて知りました。私も今この文章はWorkFlowyというアウトライナーで書いてます。


W・H・オハンロン『新装版 ミルトン・エリクソンの催眠療法入門』

これはなんかDaigo氏が推してたから読んだやつ。確かにただ読んだらただの催眠療法の本。でも相手が息を吐いている時にだけ話すとかはなんかなるほどなと思った。腕浮揚とか本当に起きるんですかね?という率直な感想を抱いた私だが実際にこういう治療をやっている人がいるのを考えると人間の無意識ってすごいなと思う。催眠療法のワークショップや実際の催眠療法を書き起こした文章が中心なので読み物としては冗長に感じるかも知れない。


リチャード・P・ルメルト『良い戦略・悪い戦略』

これもなんかDaigo氏が推してたから読んだやつ。ざっくり内容はタイトル通りです。こういう翻訳の本ってケーススタディがたくさん入っているよね。2012年初版なのだがこの頃からNVIDIAってすごい企業だったんだと思いはぇ〜となる。新聞や本の情報は遅いというけどまあちゃんとアレしてたら実はアレだよねっていう感想(???)
特に内容は全く面白くなく特に何も覚えていないのだがなんか読む気になったのは多分翻訳が村井章子氏だからだと思う。この人の翻訳は名書率高い。ダニエル・カーネマンの「ファストアンドスロー」、J・S・ミルの「自由論」、ハイエクの「隷従への道」。意味がわからなくても読み進められる文体?がそこにはあります多分。


スタバでバレンシアシロップ3杯入りのコールドブリューコーヒを飲みながら書きました。普通は2杯らしいんですけど店員さんがサービスで入れてくれました。嬉しい。