昨日からBase Ball Bearというバンドの新曲「lyrical tattoo」を延々とリピートしている。一聴でとても良い曲だと思った。そして何度も聴ける。Twitterで私はこのように形容した。「イントロから3ピースのアンサンブルが最高でそれが最後まで続く感じ、ヴァースとコーラスから成るシンプルな曲構成で無駄な展開部分がなく何回でもリピートで聴けるけど、それでいてメロディはキャッチーですぐ覚えられて、アウトロのハモリも美しく大変好みな1曲であります」。
Base Ball Bear 、略してベボベとの出会いは中3の時だったと思う。ちょうど「(WHAT IS THE)LOVE & POP?」のアルバムが発売されたタイミングで、同級生で翌年一緒にバンドを組むことになるN君がハマっていた。当時は僕はなんだかちょっとオシャレな感じなのと、このアルバムに入っている「SOSOS」という曲があまりにも当時自分が好きだったASIAN KUNG-FU GENERATION (アジカン)の「リライト」に似ていたことからあまり好きになれず聴いてこなかった。
それから早16年、去年から僕はベボベの曲を色々と聴くようになった。きっかけは、去年3月頃に今組んでいる自分のバンドのギター・ボーカルが精神的に厳しくなり、バンド活動を続けることが難しくなったことだ。ベボベも2016年、デビュー10年目にリードギターの湯浅将平が脱退して3ピースバンドになっている。自分の境遇を重ね合わせるように曲を聴き、色々なインタビューを読むようになった。色々な曲を聴く中で、日本のロックにおいて「1997世代」と呼ばれるNumber Girl、スーパーカー、くるりなど、私も好きなバンドたちに影響を受けている質実剛健なバンドだということがわかり、非常に好感を持った(特に思ったのが、「CRAZY FOU YOUの季節」という曲のギターフレーズがNumber Girlの「鉄風 鋭くなって」から引用されているような気がした)。新譜の「lyrical tattoo」も、「A long away from 1997」という歌詞から始まり、本人も強く彼らからの影響を自認しているように思われる。また、質実剛健さで言えば、ライブ映像を見ると、3ピースになってからもいわゆる「同期」(キーボードやストリングスなどの録音音源をバンド演奏に合わせて流すことで曲を豪華にする手法)を使わずストイックに3人の音で演奏している。こんな素晴らしいバンドをなぜもっと早く通らなかったのだろう、N君の言うことをちゃんと聞いて学生時代から聞いておくべきだったと思った。
さて、ここからどうやって「波」に持っていくかが勝負のポイントだが、「lyrical tattoo」のサビの歌詞を見てほしい。
言葉の届かない場所にいるあなたが
風のように 波のように
語りかけてくる 今でも
どこにもない静寂が 僕の
声を 歌を 響かせてくれる 気がしてる
「波のように」という歌詞がしっかり入っている。この歌詞で、私は「波」と「静寂」の対比が非常に面白いと思った。さあ、今ここは誰もいない夜の海だとしよう。遠くから波の音だけが聞こえる。波の音が聞こえているこの状態はきっと「静寂」には違いないが、波の音が鳴っているのだから「絶対的な静寂」ではない。でもその波の音があるからこそ、人は、そこには他に誰も存在しない、絶対的な静寂を感じとることができるのだろう。
昨日はN君の誕生日。もう彼はベボベは聴いていなさそうな気がするが、学生時代のバンドラインに、「たんおめ!!」と放り込んだ。「お、あざす!!」元気そうな反応が返ってきた。
というわけで本日は終わります。