蒲田は私にとってちょこっと思い出深い街だ。大学時代、友人が住んでいる寮が蒲田にあり、頻繁にというわけではないが時おり遊びに行っていた。バッティングセンターでソフトボール大会の練習もしたし、西口のサンロードで買った1000円の白いリュックサックは今でも使っている。沖縄旅行前日に蒲田の某激安焼肉店へ食べ放題に行ったところ、翌日見事にお腹を壊し旅行に行けなくなったこともあった。
そんな楽しい思い出も苦い思い出もある街、蒲田をメインに、売れない女優「マチ子」を軸に撮影された映画の連作集「蒲田前奏曲」の舞台挨拶・特別先行上映へ行ってきたので、書きたいことを書いておこうと思う。
このブログの他の記事を見ていただけると一目瞭然なのだが、筆者は伊藤沙莉さん大好きおじさん(おにいさん)なので、4つの連作のうち「呑川ラプソディ」中心の記事になることご了承されたし、です。
①待ち時間
私は舞台挨拶というものに行ったことがなく、実際どんな雰囲気なのか興味があった。会場に着いて、映画館のある8Fでエレベーターを降りると、既に蒲田前奏曲の舞台挨拶目当てと思しき人々が何人か待機していた。割と年齢層が高めで、自分が一番年下なのではないかという感じがした。知り合い同士の人もいるようで、映画好きそうなおじさまたちが壁際に立って談笑していた。男女比8:2くらいで、映画のテーマを考えるともっと女性が多いと思っていたので意外だった。テーマ的にはもっと幅広い層の人に見てもらった方がいいんだろうかとも思ったが、そもそも映画を熱心に追いかける若人が少なくなっているのかもしれないとも思った。
②舞台挨拶
劇場内に入ると、舞台の下手側に大きな「蒲田前奏曲」のポスターが額に入れられて立てかけてあり、おおいよいよ来てしまったなと気持ちも高まる。松林うららさんの挨拶でスタートし、他のキャストの皆様も入場。瀧内さん、福田さん、和田さん、川添さんからご挨拶。女王の教室世代(?)としては福田麻由子さんを生で見られたのは感慨もひとしおでございました。
③「蒲田哀歌」
弟に彼女ができた時の姉の嫉妬心を描き、戦時中の蒲田の空襲とミックスした作品。バッセンやらホッケーやら個人的に懐かしい場所が出てきていた。どこまでが映画上の現実でどこからが映画上でも虚構なのかよくわからない作品、好きです。戦争の話を見ると小学校の時にテレビで見た「僕たちの戦争」の森山未來さんを思い出します。
④「呑川ラプソディ」
こちらが沙莉さん出演(外資系企業のキャリアウーマンの帆奈役)の作品で、大学同期の女子会を描いている。印象に残ったのは、女子会の一行が別の女性を連れたまりっぺの彼氏と温泉でまさかの鉢合わせをしてしまいまりっぺが打ちひしがれるシーン。彼氏が別の女と密会していたことよりも、彼氏が温泉好きなのを知らなかったことにショックを受けるのだが、結構笑ってた人もいた気がするけど個人的には真面目にそれはそうだよなと思ったシーンだった。あと最後の挨拶でも松林さん穐山さんからコメントがあったように、「帆奈は特別」なんだなと思った。一人だけ温泉に入らない、浴衣も着ないのもそうだし、最後にみんなが堰を切って本心を打ち明けるシーンでも帆奈は一人だけ「強い(強がる?)帆奈」のままだった。ちなみに新車のプリウス2.5台分?って絶対そんなもんじゃないでしょと思ってます。キレッキレの沙莉さんが見れてよかったです。
⑤「行き止まりの人々」
松林さんの実体験を元に作られたMeTooを題材にした話。最終選考で瀧内さん演じる黒川がどんどんやけになっていくところが好きです。○林組と住×商事の事件を思い出しました。いい悪いは置いておいて、社会を作っているのは中年男性だよなとは思います。そして自分もこれから否応なく作る側に回っていくんだな、と。
⑥「シーカランスどこへ行く」
これはもう最初のトーク以外私の理解を超越していました。子ども特有の覚え間違いってありますよね。あとレッサーパンダにパンちゃんって名前をつけるのは...レッサーにしてあげようよ。BUMPも「レッサーのことレッサーパンダって呼ぶなよ!」って隠しトラックで言っているし。りこさんは存在しているだけで大女優なのです。
⑦最後の挨拶
松林さんと「呑川ラプソディ」の穐山監督からネタバレ含めての振り返りで、終了でした。
まとめ
久し振りに蒲田に行きたくなる作品でした。ロケ地めぐり&温泉入りに行きます。
大学時代に蒲田のブックオフで漫画の立ち読みをすることによって脚力を磨き上げた生粋の蒲田人である私の友人にも薦めたいなと思っております。