拝啓 みなさま
気づけば12月、今年のまとめに入っていこうと思います。仕事について書きます。
- 私は、今夏より<民間企業じゃないところ>で働いています。W杯やってますんで、サッカーでいえば「レンタル移籍」って感じです。職場環境が変わることとなったので、感じたことを書いていきたいと思います。
- 大きく言えば「コミュニケーション」と「ビジョン」です。
- ①時間を管理する難しさ
- 前の職場では営業担当者として日々取引先と電話し、収益を上げることが仕事だった。
- 日々やることが決まっており、概ね時間が来れば仕事も終わりという環境だった。
- しかし、今の職場では、ヒアリングし、レポートを作成し、上司に説明することが仕事である。
- 同時並行でレポートを書くことも多く、自分の書くスピードなどを考慮しタスクを管理していくのが難しかった。
- また、書く際に、どこまで深掘りするかは自分次第である。
- とはいえ使える時間は有限なので、その限られた時間の中で何を調べるのにどれだけ時間を割くかは自分で決めていく。
- あまり本旨に影響がないことを自分がスッキリしないからといってグダグダ掘り下げていると延々と時間を使ってしまうと思いました。
- ②たたき台を作る難しさ
- 管理するにあたっては、管理するモノが少なければ少ない方がいい。
- タスクに関してもそうで、自分が持たない(アクションしないといけない状況になっていない)のが一番である。
- 作成するレポートは上司に見てもらうので、いかに初稿を早く出せるかが自分を楽にするのに大きなファクターである。
- これが難しい。
- 簡単なヒアリングや調査であっても、それをまとめて意味の通る文章を作るのには結構骨が折れる。
- 意味が通りにくかったり、必要なことが書かれていなかったり、順番がおかしかったりであれば上司のチェックをもとに変えていけば良いが、そもそも内容に矛盾があったり、自分で読んでも日本語が支離滅裂な文章になっているのはさすがに出せない。
- あと当たり前だが白紙でも出せない。
- 特に前の職場では例えば会議の議事録をとるという業務さえ全くなかったので、社会人になってから何かを聞いてまとめるというスキルはほぼ上がっていない。
- 最後にまともな議事録を取ったのは大学4年の時のサークルの会議だと思う。ムズイっす
- ③人にものを伝える難しさ
- 前の職場では、みんなの共通言語というものがあって、担当者も取引先も同じ前提を共有していた。最初こそ共通言語の習得に苦労するが、覚えてしまえば後はパターン通りの会話をしていれば一通りのことはできる。要は「詩(うた)の世界」である。
- しかし、今の職場では、というか普通の会社はそうだと思うのだが、みんなが同じ共通言語を持っているとは限らない。
- 同じグループでも担当ラインが違えば知識も異なるし、上司は細かい情報までは知らない。
- その中で、相手が過不足なく理解できるような説明をするのは結構難しい。ましてや、ぶっちゃけ自分も理解しきっていないトピックについて説明するのはきつい。
- 特に上司というものは、一日中色々な報告を受けているので、「何を印象に残したいか?」を考えて話をする必要がある。
- よくやりがちなのは、「桃太郎スタイル」(ストーリーテリング)
- (聞かれていないのに)時系列や背景事情から細かいところまで喋りすぎて、「結局何が言いたいの?」と思われてしまうパターン。
- 有り体に言えば結論から喋れ、ということなのだが、まあゆうても結論を聴かせるにも色々な前提知識が必要だし、結論だけを最初に喋れることってそんなにない。
- ではどうするかというと、「構造化せよ」ということですよね
- 言いたいことを要素に分解して、話す相手の頭の中に樹形図を作ってあげるわけです。
- まあそれも難しいんですけど、もっと簡単にできるソリューションがあります。
- それは、「数を数える」です。
- 上司にいくつのことを伝えたいのか、数えます。
- 簡単そうに見えてこれも結構ちゃんと考えないと難しいんですよね。でもさすがに「今日からできる」レベルに落としこめている話だと思います。今の職場に来て一番勉強になったことかもしれません。
- それからもう一つ、「相談」か「報告」か、言う、です。(タイトルをつける)
- 上司と話をする場合は、だいたい何かを判断して欲しい場合です(前者)。だとすると、最初から結構ちゃんと話の筋を聞いてもらう必要があります。一応お耳に入れておきたい話(後者)ならば、まあそこまで頑張って聞く必要もないわけです。
- 上司から見て、最初、単なる報告かと思ったけど、それ相談じゃん!となった場合は、「え、ちょっともう一回最初から話して?」みたいなことになってしまいがちです。
- こんな事態を防ぐために、タイトルをつけるだけで、聞き手の認知コストを下げることができます。
- そう、聞き手のことを考えるということですよね。
- これはやはりオタクには難しい。オタクには自分の世界しかないので・・・(あれ、なんの話ですか?)
- ④組織内でのポジションの難しさ
- 前の職場では他の担当者との関係はたとえ役職者であろうとフラットだった。
- また、小さい組織なので、困ったことがあれば他の部の役職者などに気軽に連絡をとることもできた。
- すなわち、上を納得させてから「あの人がこう言ってるんでいいですよね?」という形で中間管理職の人のOKをもらうことができた。
- しかし、今の職場はそこそこ大きな組織になので、担当レベルが直属の上司に上げ、グループの取りまとめに上げ・・・という形で話が進んでいく。
- おそらく今の職場も他の部に比べたらフラットなのだが、やはり上司に話をするときはそれなりに話をまとめて持っていかないといけないのだなと思った。特に、自分と同年代のプロパーの方が直属の上司と話すのに会議室を取るなど丁寧に話していて、そういうものなのかと思った。
- また、他部署の人と業務に関わる話をする際には、担当なら担当同士、上司なら上司同士で話をすることが推奨される。というか、そうしないと話が拗れることがある。
- 部署を跨ぐ話になると、各部のメンツや職掌といったものが絡んでくる。要は、自分の部・グループが何かの判断をする立場にあるのかどうかを理解していないといけない。自分の部がイニシアチブを取らないといけない話なのか、他部署のご判断に乗っかっていけば良い話なのか、しっかり上司と話してスタンスを理解しておく必要があります。
- ⑤「べき」を考える難しさ
- 前の職場は民間企業であり、特に営業会社でもあることから、利益を上げることが目標であった。
- 担当者の趣味によって短期的(ちょっと危ないことをしても目先の利益を取りに行く)か、長期的(目先の利益は捨てて信頼関係を築く)かという視点の違いはあれど、「儲かってまっか?」というのが行動原理であった。
- しかし今の職場の業務では「部署のやるべき仕事か?」というのが行動原理となる。これが意外と難しい。
- 例えば他部署から資料をもらうという単純な話であっても、どの資料をもらうか考えるには「それによって部署としてどんな情報を得たいのか」を考えることになります。
- 仕事の優先順位を決める際にも、当然この観点が必要になってきます。
- 先入観でそんなに気にしなくていいだろうと思っていたことでも、上司の話を聞くとやっぱやらんといかんなということも多く、何をすべきなのか(ビジョン)を考えて具体的な行動に落とし込むって大変だなと思いました。
- ⑥組織外の人とのコミュニケーションの難しさ
- 前の職場では、営業担当者だったので、お客さんと積極的にコミュニケーションをとるのは当たり前だし、最終的なゴールは取引を増やすことなので、やることも決まっていました。要は向こうにメリットがあると思ってもらえるような話をすれば良いわけです。
- 今の職場での仕事は、付き合いがある組織とのRMになるのですが、取引関係があるわけではないので基本的には彼らからすれば私たちと話すことに日常的なメリットはありません。面倒くさい仕事が増えるだけです。
- しかし、我々サイドとしては、必要と思われることについては聞かないといけず、前述の事情から当然聞き方にも気を遣わないといけません。
- 向こうにとってはメリットがないことをどう聞くか?というのがなかなか難しいなと思いました。
- 解決策としては、警戒させない、こちらはある程度率直に話す、相手にかかるコストを減らす、あたりでしょうか。
とりあえず6つ、思いつくままに書いてみました。ここらで棚卸一旦辞めさせていただきます。